ワイン会でDRCの古酒ロマネ・サン・ヴィヴァン1974の3Lボトルを飲んだ
ワイン会でDRCの古酒でしかも3Lボトルという貴重なワインを飲むという体験をしました
ワインリスト
日時
- 2012年1月8日
- 平野弥にて
NOTE:
平野弥さんの1周年記念&テラスお披露目のワイン会に参加してきました。
今回振る舞われるワインがびっくりのDRCの古酒。DRCは過去エントリーでも触れていますが偽物の数が半端なく多く、値段も希少価値から飛び抜けて高く、しかも状態が良いものとなるとお目にかかるのはかなり難しいです。
今回は、平野弥さんが兼ねてからストックしていたというボトルのようです
- 流通経路
- ワインの状態
の2点は信頼できます。年代物なのでブショネや雑菌などは当たるも八卦当たらぬも八卦という感じですが、熱劣化に関してはまず大丈夫でしょう。
そして、もう一個大事な事。それはこのボトルがリコルクされていないという事なんです。マグナム(1.5L)は通常のフルボトル(750ML)に比べ熟成カーブが緩やかで熟成後は同じ状態でもより美味しいと言われていますが、ジュロボアム(3000L)はさらに期待が持てます。
というところで、基本情報はこのあたりでロマネ・サンヴィヴァンの感想はのちほど。
自社輸入のデイリーワイン's
価格が3,000円前後までのブルゴーニュワインとしては日常的に飲むようなレンジがリストアップです。
このワインのほぼ全てを1度は飲んだ事はありましたが、体調が万全ではなかったこともあってか幾つかのワインがいつもより美味しく感じませんでした(まずいというわけではなく)。
泡は駆けつけ一杯には美味しかったです。真冬ながらお天気が良かったのでテラスの中はポカポカしていましたので夏でも冬でも泡は良いですね!同一銘柄が複数本あったのですがあるボトルでは左記泡が若干のブショネでグラスに臭いが移るのが嫌で回収されている様子もありました。*1
次にサン・ヴェランです。同じものを3〜4週間前に自宅で飲んでいます。その時はワインに厚みや濃さやジューシーさはなかったのですが、小さい次元でこじんまりまとまっていて美味しかったのです。それに比べ、当日の私が飲んだボトルは少しバランスが崩れていて、ワインの弱さが目立って「うっはー、うめぇ」というインスピレーションはなかったです。体調が万全ではなかったのでそれが影響していたのかなーと飲みながら思っていました。(大事なことなので2回言いました)
続いて、コルディエのワインです。2010も何度も2009に比べてこんなもんじゃないだろう... と感じました。フレッシュさに加えて果実実溢れるパワーがないのです。2009というヴィンテージの影響をもろに受けていたんですかね。2009で良い面にでたところが2010になかったとか... ボジョレーはやや冷やし気味で抜栓直後のものです。さわやかで期待値の内容。次のボトルもあるのでさくっと進んでしまいました。
さぁ残り2生産者です。一つはジャン・フルニエ、もう一つはラモネ。ACブルゴーニュ同士で比べてみるとジャン・フルニエの方が圧倒的に濃い。一方ラモネは今が一回目の飲み頃なのか香りもよくてすごく美味しい状態でした。このラモネに比べられて少しフルニエのワインがかわいそうな気がしました。
デイリーワイン感想まとめ
- 白はいつもより本領発揮できていなかった(気がする)
- デイリーワインではラモネが一番印象に残った
- が... 2時間後思わぬ所で大逆転のサプライズ(後ろの方に書いています)
- この値段なら全部納得はできる内容
前座の古酒ムルソー・ペリエール
歓談と飲食が進む中1時間くらいしたところで、前座のワインとしてムルソー・ペリエール1984がデキャンタージュされた状態で提供されました。色は黄金色。記憶では同じロットのワインを過去に2度は飲んだ事があり記憶を呼び起こすとちょうど1年前の年末。「もうピークアウトしている」と感じたと記録に残してありました。その時は同じ時に飲んだ同一ヴィンテージのモンラッシェと比べたから印象の分が悪かったのかもしれません。今回も、ピークアウトしているという印象は変わらず、酸とアルコールの支えはまだ残っているけど糖が抜けきってしまっていて、ワインのスケールとしては少し残念な感じでした。ただ、明らかに10年〜15年のワインでは感じる事ができない領域で、古酒と呼ぶにふさわしい液体となっていました。こういうワインは好みにとても左右されるので、好きな人とそうでない人がいました。2つのデキャンタを飲み比べ「私はこっちのデキャンタに入っている方が好き」「自分はこっちだなー」と分かれた意見が飛び交っていました。
DRCのロマネ・サン・ヴィヴァン
ついにきました。もう注ぐだけで会場がざわつきます。カメラの数も多かったです。色がオレンジでほんのりした香り。香りが非常に弱くこちらもピークアウトしています。2杯頂きました。1回目は巡回して注いだ上部〜中部。2回目は1巡して余った檻を含んでいるかもしれない下部。
色や香りや味は全体的に薄くなっているのですが、それが水っぽいのかというとそれは違います。紹興酒の系統に近い味わいなのですが、なんとも言いがたいのですが雑味がほとんどなくクリーンで喉を通り過ぎていく液体と化していました。こちらもグラン・ヴァンでスケールが大きいと感じたであろう時期はとうに過ぎ、私が普段飲んでいるワインという液体とは別次元の液体でした。また、ネゴシアンのデイリーなオールドヴィンテージに感じる衰退した液体とも別です。
比べ物になるかわからないのですが、1976年のクロ・サン・ジャックを飲んだ時はここまで深くは感じませんでしたし、それは普段自分が飲んでいるワインの延長にいました。一方、このワインはDRCという事が念頭にあったからかもしれませんが、脳と雰囲気でワインという形の別の物を飲んでいた気がします。
(記憶を記録する為に単純な美味しさで言えば、去年飲んだ1989年のボーカステルの方が美味しかったかも。えっ!?)
DRCはたった1〜2杯飲んでわかるようなもんじゃないですねw
DRCロマネ・サンヴィヴァンの感想まとめ
- 古酒の次元が違いすぎる
- 飛び抜けて美味しかったか?というとそうでもない
- 下部も澱が混ざっていなくて美味しかった
- 84のペリエールがあったことでとても良い比較ができた
- DRC3Lボトルのサーブを見るだけでも価値があったw
- いつかフルボトルとまではいかなくても、それなりの量を変化を味わって飲めればいいなぁ
- 自分で買うとしても記念や思い出と引き換えなら価値はあると思った
まとめのまとめ
- 楽しい会でした
- 貴重な体験ができました
- 普段とは違う雰囲気が味わえました(DRCはどんな飲み手でも「おぉ〜」となる)
- みなさんワインが好きなんだなーと実感しました
- 料理は立食で鴨や牛ほほ肉赤ワイン煮やピクルスやラザニアなど頂きました。美味しかったです。
- 2時間経った時のロゼがやたら美味しくなっていてびっくり!!
- DRCを飲む直前に2回もおかわりしてしまった...
- たぶん今日一番本領発揮したワイン。
デイリーワインでも希少価値の高いワインでも集まる人や場所や雰囲気によって楽しい場になる事は変わりない。
とても良い時間を過ごせました。すてきな会を開いてくださった平野弥さん、しゃべってくださった皆さんどうもありがとうございました。
*1:ブショネセンサーが発動されてすごい!!