「GG知っている?」時代遅れのドイツワイン愛好家に学ぶ今どきの流れ

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私は「GG」の存在を知りませんでした。*1

化石のようなドイツワインの認識

ドイツワインは甘口で等級があがっていき、一般的に等級が上なワインほど同じ生産者でも価格があがっていきます。ブルゴーニュワインは畑で格付けがされているのに対して、ドイツワインは糖度によって等級(格付けとは少し違う)されているので、いまいちと聞く事もあります。

実際、ドイツでもブルゴーニュでも生産者を選ばないとハズレを引くのは同等という所までは一般的に知られている事だと思います。

そして、ドイツワインに対して言及されるステレオタイプな例としては

このあたりの話しは、私が数十年前にドイツワインを飲み始めた頃に既に言われていたことで、当時の流通状況だったりワイン文化が日本に根ざしていなかった事に起因していて、今では陳腐化している間違った認識だと思います。

上記3つは赤ワインといえば「赤玉ワイン」だよね。と同じくらい古いフレーズや認識ということをまずは頭に入れておきましょう。

時代は辛口の流れに

そんな80年代以前のドイツワインの甘口ワインのイメージが先行していた中で、90年代はワインブームでボルドーワインが流行し定着しました。次に00年代にはブルゴーニュブームもやってきて定着しました。

その中であったキーワードは「辛口」でした。ワイン単体でも満足できることの多い甘口ワインより、食事に合わせてポンポンとあけるタイプが世に受入れられていきました。

その流れで、90年代後半くらいから昔からドイツの一部では作っていた辛口ワインを著名生産者も手がけ始めるようになりました。ドイツ語で「トロッケン」表記で「辛口」仕立てのワインです。

またまた、ここで紛らわしいことに、ドイツワイン法で定められた等級の中に「トロッケン」という文字を含むランクがあります。

ここでいうトロッケンは「乾いた」という意味で広義には貴腐ワインの事をさします。

もう一個「ハルプ・トロッケン」という「半辛口」を示す表記も存在しているので、ややこしいですね。

90年代後半は日本のマーケットにも「トロッケン」と表記されたドイツワインを見かける事も増えてきて、これからはドイツも辛口推しでいくんだなぁと思ったモノでした。

GGとは「Großes Gewächs 」の略でした

ここまでが、私の旧来のドイツワイン事情でキャッチアップできていたところで、2000年代に入ってから引っ越しを機に、市内のブルゴーニュに力を入れている実店舗にお世話になる事が多く、次第とオンラインショップも覗かなくなりメルマガもほとんど解除してしまっていてドイツワインからもご無沙汰になっていました。

それから暫く経って2011年に子供が産まれ、バースデービンテージをドイツワインも買おうとした際「GG」と表記されている事に気づきました。
Grand Gruかと空目してしまったのですが、実はVDPというドイツの団体が新たに制定した「Großes Gewächs(グローセス・ゲヴェクス)」という制度らしいです。

またまた、ややこしいことに「単一畑/集合畑」を示す「アインツ・ラーゲ/グロース・ラーゲ」とは別の、「グローセ・ラーゲ」というVDPが定めている格付けのランクがあって、それの辛口を「グローセス・ゲヴェクス」と呼ぶ事に決めラベルや商品名にも表記するようになったそうです。

参考までにVDPが定めている畑の格付けが制定されているものを紹介します。

2012年ヴィンテージから最新の現制度に制定*2
  • グーツワイン(Gutswein)
    • 生産者名義の広域ワインに相当
  • オルツワイン(Ortswein)
    • 村名ワインに相当
  • エアステ・ラーゲ(Erste Lage)
    • 1級ワインに相当
  • グローセ・ラーゲ(Große Lage)
    • 特級ワインに相当
      • これの辛口ワインが「GG」なのだ!!

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格付けの解説動画

VDP 公式サイト情報
http://www.vdp.de/en/vdp/klassifikation/the-refined-vdpclassification/

マイナーなので意識している人はまだ殆どいないかもしれませんが参考までに・・・

結論

ドイツ格付けが愛好家の中で定着していない一方、最上級格付けの辛口ワインを示す「GG(グローセス・ゲヴェクス)」のみ定着している模様。

サンテミリオンなどのように格付け自体が定期的に見直されたり、酒屋さんやスーパーマーケットがどんどんと使ってもらって、身近に感じられようになるといいですね!!

*1:時代遅れのドイツワイン愛好家とは私の事です!

*2:2016年5月現在