メゾン・ルロワの訳あり比較 ACブルゴーニュ99、ムルソー99、ムルソー・ペリエール96

某店のセールで上記ワインを購入しました。*1

今回のセール対象品の中に、熱の影響を受けたワインを安く放出するというラインがあり、その中にルロワが含まれていました。
熱の影響を受けたワインがどうなるか、正確にわからない自分としてはこれとないチャンスでした。


どういう風に駄目なのかという説明を受けてから試飲をしたのですが、説明通り通常購入したら期待するクオリティはありませんでした。
何も聞かされず、出されたら?となっていたでしょう。
ルロワ=旨いという認識は自分の中で崩れ落ちました。


同時にコンディションの重要性がわかり、飲み手としての階段を一歩駆け上がった瞬間でもありました。
熱の影響は本当にすごかった・・・
正直なところネットとかでたまに見る「吹いたから訳ありで10%OFF」などのキャッチコピーは多少ならず気になっていたのですが、もうないね。絶対。
10%くらいの差なら絶対に健全な方を買う。

ルロワ 村名ムルソー 1999

3点の中で最初に試飲したワインがこれ。
まず、香りが限りなくしない。全くないことはないです。


味もフラットでなんだか、あれっ?ルロワネゴスってこんなもんなの??って思ってしまう。
飲んだ後の広がり感もないし、ストラクチャも薄いし、複雑さもない。
水っぽくなってしまっていました。
あまり使いたくない言葉*2で「飲みやすい」と言われて飲んだとしたら、「そうだね」と答える。
それ以上話題は発展しない、悪い意味での飲みやすいです。


一緒に試飲していた人達のこのワインの印象は同じでした。
「こりゃ駄目だね。」「お世辞にも旨いとは言えない。」


このワインの良い所は、熱で駄目になった事をわからせてくれる良いワインです(笑)。本来素晴らしいワインも熱でいかに駄目になるか。
勉強の為に何本か購入しました。


あっ、あとこれは書いておくべきことと思う事がありました。購入店舗は師匠レベルのお店です。
3〜4年前に入荷した時にこの状態だったらしく、取引形態の関係で返品もできなかったロットらしいです。


この時にまとめて入荷したメゾンルロワロット一式、一度たりとも客に売ってなかったとのこと。
「定期観測する為に飲んでいても落ちる一方だった・・・」とおしゃってました。


店主のすごさと誠実さに感心するばかりです。

ルロワ ムルソーペリエール 1996

このワインも熱を受けています。

畑の格としてはムルソーの中でもトップクラスからか、熱の影響を受けても「これこれ」と思わせてくれるすごさがありました。
香ばしい熟成された味わい。ポテンシャルを感じさせる片鱗がありました。



味も比較しないとわからない程度じゃない?と思いましたが、「飲んだ後に突き抜ける感覚がなくなっている。」
と教えて頂きました。これは、おぉっなるほど。と思いました。


いやぁ、でもすごいよ。ペリエール。村名ムルソーとは格が違いがあると思いました。
これも勉強の為に購入。でも正直な話、普通に飲んでも「旨い」と言えるレベルです。


試飲なのにたくさん飲んでしまいました。すいませんでした。

ルロワ 村名ピュリニー・モンラッシェ 199x


ビンテージはメモと記憶失念。
「これも、あります。」と後から出していただいたもの。


でも、これは熱の影響が限りなく少なく「2割くらいのダメージ」とおっしゃっていました。
これはまだ回復する余地があり、飲めるレベルとその場で判断されてセール販売の対象にはなりませんでした。

セールとして販売の対象外でしたが、試飲は頂きました。うまいっすよ。
ペリエールより旨い。明らかに旨い。
あのペリエールより。状態でここまで変わるのかと思いました。


ドーヴネを飲んだ時に感じた、あのミネラル感を思いだしました。
これだから、ルロワはやめられんね。となってしまいそう・・・

ルロワ ACブルゴーニュ 1999

最後のルロワはACブルゴーニュ


村名ムルソーと比較したいので、「別輸入のメゾン・ルロワありますか?あれば購入したいんですけど」と聞いたら、「ACブルゴーニュの99があります。これはすごく美味しいです。」と太鼓判。「通常価格ですけどよろしいですか?」と聞かましたけど、即答で購入の返答をしました(笑)
家に帰ってから飲もうかなと思ったのですが、これだけのラインと熱の影響を受けた瓶もあるわけですから、この場で空けたらもっと理解できるだろうなぁと思って、「ここで空けても良いですか?」とあつかましく聞いたらOKを頂き、比較試飲をしました。


店主が試飲をして、納得してグラスに注いでくれたので期待が高まります。


まずは香りを・・・


えっ?



熱劣化の村名ムルソー比じゃないよ。



熱劣化ペリエール並です。好みは分かれるかもしれませんが、同格です。
完璧な状態のなワインがここまですごいのかと・・・


飲んでこれまたびっくり。
村名ムルソーレベルじゃないですよ。むしろペリエールと同格。
複雑さやストラクチャでは及ばないですが、伸びやかさはこちらが上です。
香りも良い。でも、香りは及んでいないかもと思いました。


ワインとしての完成度が素晴らしい。綺麗。


熱劣化で感じ取れなくなってしまった部分ってこれなんだ!!とこのワインが理解させてくれました。


個人的には熱劣化ペリエールよりこちらのACブルゴーニュの方が好みでした。


これが、今日一番の収穫です。
安いワインが買えた事より何より。私のワイン人生の節目となります。


試飲していたメンバーも、この違いを感じていたようです。
純粋に旨い。


熱の影響を伝えずにACブルゴーニュムルソーでブラインドしたらどれくらいの人が間違うんだろう・・・
熱の影響に気付く人はどれくらいいるんだろう?と思いました。


本当に良いワインです。
また買いたい。

最後に

こんな貴重な体験をさせていただき、ありがとうございました。
またワイン買いに行きます。

*1:ルロワ以外も何点か購入

*2:そんなのあたり前で、大前提の話だから