2011年のボジョレー ・ヌーボーは数百年に一度の歴史的な年という前に

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読売新聞の記事にこんな見出しで掲載されていました。

「すっげぇー!!そんな歴史的なボジョレーだったら今年も飲まなきゃ」と思ってしまいますね。(ぇ

http://www.yomiuri.co.jp/gourmet/drink/wnews/20110927-OYT8T00376.htm
http://www.yomiuri.co.jp/gourmet/drink/wnews/20110927-OYT8T00376.htm

落ち着きましょう。

ボジョレー・ヌーボーは毎年キャッチフレーズを巧みに使ってコマーシャリングすることは、ワインが好きな人以外にも知られている事で、病害や自然災害などの苦労したやネガティブな面は知り得る事はありませんね。

では、今年の出来は実際のところどうだったんでしょうか?

 ブルゴーニュで8月に収穫が始まったのは、18世紀以降で1719年、1822年、1893年、2003年、2007年、2011年の計6回しかない。ブルゴーニュワイン事務局の技術品質委員会長を務めるジル・ルモリケ氏(ニュイ・サン・ジョルジュ)は「温暖な春季の気候によって、ブドウの成長が促進され、半発芽が約3週間から1か月も早く始まった。これは2003年の記録をも上回る」と述べている。

と書かれています。2000年に入ってから既に4年に1回は8月に収穫が始まっているので、世界的な異常気象の影響で歴史というより「今年も早く収穫せざるをえなかった」という方があっているかもしれませんね。早く収穫のはこれ以上待つと葡萄の状態が悪くなってしまう(完熟しすぎたり雨の影響を受けたりする?)からです。

2003年のブルゴーニュは灼熱で葡萄がひからびたというくらい不作に近い年でした。この年も歴史的な年としてボジョレーヌーボーは祭り上げられました。2011年はどうなんでしょう。

 7月の降水によって、乾燥が心配されていた畑にうるおいがもたらされた。一部のピノノワールでは、腐敗も観察されたが、農家は厳しい選別を行い、最良のブドウのみを収穫しているという。

厳しい選別を行うのはトラクターを使わず手摘みをしているのは限られた生産者で、ボジョレー・ヌーボーを輸出している多くの生産者が手積みやベルトコンベアーにより人力や最先端機械によって選別を行っているかはわかりません。

ただ、私が知っている事は現在は醸造技術の進歩がすごくて葡萄が偏った個性を持った状態や健康状態がよくなくても、テクニカルに手を加えることで、口にしたくないような飲めないワインにはならず、相応のワインに仕上がるらしいです。

なのでキャッチフレーズに惑わされず、今年もボジョレヌーボーを楽しんで頂けたらなぁと思います。