アルザスワインで低温劣化とベストコンディションを飲み比べ

駄文の長文失礼します...

WINE:

  • ビンテージ:2012
  • 生産者:ドメーヌ・ショフィット
  • 産地:アルザス
  • 銘柄:リューディー・アルト トラディション
  • 品種:リースリング

日時

  • 2016年3月13日(18時頃)
  • 月齢- 小潮 (-)
  • 栓抜時:潮位(-)方向(-)
  • 当日潮位:満潮(-)干潮(-)

NOTE:

新入荷ワインの案内を頂いたので週末にお店に寄って何本かワインを購入しました。
そこで品質に関わる興味深いできごとに出くわしました!よくあるブショネ・熱劣化ではなく、低温劣化です。

店舗での出来事

個人的にアルザスワインが好きなので前回の試飲会でショフィットのワインが美味しかったので、ゲヴェルツとピノ・グリのデイリーラインを買った所、会計時にコンディションの話しになり、2012年リースリングの1ケース分が倉庫からお店にリーファーコンテナで配送してもらった時*1に低温劣化で壊れてしまったワインがでてしまったという話し聞きました。

特に寒い日に配送日が当たってしまったようで、配送過程で5度以下の状態にさらされてしまって低温劣化になってしまったというのが原因だそうです。タイミングよく正常なワインと低温劣化のワインがセラーにあったので飲み比べで試飲をさせて頂きました。

  • 香りが立たなくなってしまっている
  • 本来の風味がなくなってしまってしまっている

特に香りの部分で顕著でした。
正常なワインの方は開けて数日経っているので完璧な比較試飲ではありませんが、比較すると言われている事がだいたいわかりました。

実は過去に自宅でビオのアルザスワイン(マーク・クライデンヴァイス)を低温劣化させた事があったので、「アルザスワインは他産地に比べて低温劣化に弱いんじゃないか疑惑」も持ち始めています。

そこで、同一ワインを購入し、低温劣化のワインを譲ってもらい自宅で比較試飲をしてみることにしました。

自宅での比較試飲

移動で少しボトルは揺らしてしましましたが、即日新しいボトルを開けて試してみました。
2本ともグラスはシュピゲラウのリースリングを使い全く同じ状態にしました。

自宅で比較したら難しい。両方とも美味しく感じるんですよね...
違いは正常なボトルは飲み口の余韻としてググッと押し出しがあります。かたや低温劣化ボトルは平坦でフラットに感じます。
部屋の温度が高めになってグラスの液体の温度があがった時にはこの差が感じにくくなりました。そういう時はどっちがどっちだ?とわからなくなる時もありました。それほどまでに繊細でサービス温度が重要なワインなんだなという事を理解しました。

マーク・クライデンヴァイスで低温劣化をおこした時には散々でしたが、今回は重度ではない低温劣化ではないかと思いました。

食事にも合わせてみましたが「鶏の炊き込みご飯」というシンプルな料理。両方とも邪魔をせず悪くはなかったのですが、こういう事をやっていると実は食事を楽しめないという罠...

今回はワインライフと向き合って考えを整理するのに役立ちました。 :-)

結果
  • 低温劣化とワインが閉じている誤解する差はどこにあるのか?
    • それがわかる人がどれくらいいるのか?

この二つの相関関係は難しいです。わかる人にとってはそういうワインが流通することは非常に不幸な事ですし、わからない人にとっても本来のおいしいワインが流通している方がしあわせだという事は間違いありません。どこにあたりまえのラインを持ってくるかが難しいのかなと。わかる人にとっては特定の信頼における店とインポータと流通業者の努力によって、低温劣化がフィルタリングされ最上のコンディションのものが購入できるというのが理想ですが、そこまでしてもらえるショップは片手で数えられるくらいしか知りません。

私は重度なコンディションの悪い物しか突き返した事がありませんが、今回のこれを突き返されたら一般的な多くのショップはやっていけないでしょう...

この低温劣化ワインは売るに値しないワインとおっしゃっていましたが、世に出回っているワインはもっと酷い状態のワインが2016年の現時点でもざらに存在し、そういうワインを飲む機会はあまり大きな声では言えませんが出会う事があります。市場性の違いを比較するのが良いのか悪いのかも最近わからなくなってきました。

飲む方もベストコンディションで飲めるように保管からサーブまで気づかう必要があるので、「コンディションがベストの美味しいワインを知ってしまったが故の苦難」「ショッピングサイトのソート機能で好きな銘柄を手に入れ相応のコンディションで満足できること」どっちがしあわせでしょうか?

コンディションの良いワインの扱い方はコツさえ掴めばそれほど手間やストレスなくできますが、一気にテリトリーが狭くなります。極論ですが自分が満足できるワインを飲む事にどこまで気を使うのか。仕事で「あたりまえのことをあたりまえにする」事の難しさと、そこまで持っていく為の日々の過ごし方や感性やマインドに通じるモノがあるなぁと思いました。

ぐだぐだと書いてしまいましたが、私は美味しいワインが飲みたいだけなので、こうやってフィルタして販売してもらえるのはとても嬉しく、楽して気を使わず(私が返品するような労力や嫌な気持ちにならなくて済む)残念なワインに出会う確立も低くなるので、努力をして頂いているショップや流通の方に感謝し、お礼の言葉とかえさせて頂きます。

3/17 追記:

数日間、少しずつそれぞれのボトルの変化を見ていきました。
2日目は差が縮まっていたかのように感じたのですが、4日目、5日目では明らかに差がでてきて正常なボトルの方がストラクチャをしっかり保っていました。約1.5L分のボトルを飲んでいるので多少の飽きはきますが、残そうという気にならないくらいのクオリティを保っているのはさすがです。

*1:いつもはお店の定温配送車を使って倉庫に取りに行く事がほとんどだそうです