シャトー・フュイッセのブリュレ垂直+α 試飲会に参加した

ブリュレの垂直って... かなり渋め。「地味なワインに必要な要素とは何か」を少しわかったひとときでした。

ワインリスト

  • 生産者:シャトー・フュイッセ
    • プィイ・フュイッセ・ブリュレ【白】2004年
    • プィイ・フュイッセ・ブリュレ【白】2000年
    • プィイ・フュイッセ・ブリュレ【白】1999年
    • プィイ・フュイッセ・ブリュレ【白】1998年
  • 生産者:アンリ・ド・バエーズ
    • クロ・ド・ヴージョ 【赤】1997年

日時

NOTE:

急遽、開催されたブリュレをメインにしたワイン会。シャトー・フュイッセ自体好みの生産者であり、ブリュレを買おうかなと思っていた所に朗報だったのでほいほいと参加させて頂きました。

数十分遅れで着いたらさっそく始められていて、全本抜栓済みでした。今回の垂直は試飲メインなので感想重要とのこと。

料理を食べる前に抜栓直後の状態を見る為に、少量で新しいビンテージから順に1杯ずつ試飲をしていきます。

ちょっとしたメモ情報です。ブリュレは新樽100%に対し、コンベットは3〜4年の樽を使う。ブリュレは粘土質でコンベットは石灰質。ボーヌ・マコンは石灰質の畑が多いようなので、粘土質は珍しい方なのだそうです。
シャトー・フュイッセを楽しむ会に参加しました - No Life No Wine
http://d.hatena.ne.jp/jungex/20100131/1260539241

抜栓直後

それぞれの感想

  • 2004
    • 果実味と酸と樽香が感じられフレッシュ感があって普通に美味しくて綺麗
  • 2000
    • 2004と比べて全ての要素が弱々しくてブリュレの良さが感じられなかった
  • 1999
    • 何かが抜けてしまっている印象。樽香・果実味・酸。その影響かアルコールが強く感じてしまった。
  • 1998
    • これだけ異質。香りがすごい。いやらしくエスニック。ワインも熟成感がでている。好みが分かれるところだけど自分的にはツボ。香りはネガティブではないらしい。

印象的には

1998 > 2004 > .... 1999 > .. 2000

98と04はそれぞれ時期的な良さがでていました。熟成とフレッシュ。それに比べ閉じているわけではないけど、99と00がいまいちパッとしない。

クロ・ド・ヴージョは華やかに香るわけでもなく、口の中に広がりがあるわけでなく、平凡さを感じたが後でこれが覆る事に。

料理

  • カボチャのスープ
  • ニンニクの芽とホタテ等をオイスターソース風で炒めたもの
    • ワインとしてはチャレンジな組み合せ
  • 焼いて塩をかけただけのサツマイモ
  • さんまのグリルと焼き野菜
  • じゃこのクリームソースのパスタ
  • アグー豚のグリル
  • パンとアグー豚の脂身
  • 葡萄のゼリー

料理名をメモしていたわけではないので適当ですw

料理とワイン

抜栓後2〜3時間くらいかけてワインと料理を飲食していきました。まずカボチャのスープには何が合ったか忘れてしまいましたが、クロ・ド・ヴージョよりブリュレの方があった。2004あたりが良かったんだったのかな。まぁ、双方お互い邪魔せず程度でした。

次が、ニンニクの芽の料理。これはすごい。完璧な中華です。アルザス料理のお店でこんな料理を出しちゃうとは。*1ワインを見て決めたそうなので、特別料理ですね。我が家で十分作れそうなレベルだし、これがワインに合うの?と・・・

合わせてみると、04から99まではワインの繊細さや綺麗さが邪魔をしちゃうんですよね。でも、98にはベストにマッチしてすごく美味しい。
何杯でも飲めるしいくらでも料理が進む。AKさんで何回か料理とワインを頂いていますが、ここまでマッチした経験は多くないです。これは本当に素晴らしいです。ニンニクの芽に合わせれるワインなんてそうそうないですよね。ましてや自宅リビングのセラーから切るカード(ワイン)を当日決めるとすると、ワインをあけるという事を諦めるという選択肢も十分ありえます。自宅でのシチュエーションを考えるとありがたいワインです。

ワイン単体でスケール感や綺麗さや華やかさを求めたら、フィルタリングにかけられまくって、普通のワインまたはネガティブワインと扱われてしまうかもしれませんが、これは良かったなぁ。

98が特別輝いたのはこの料理との組み合せだけ。他の料理とは別ビンテージが光りました。きっと料理を作ったAKさんの思惑通りだと思うのですが・・・

さつまいもは塩をかけて焼いてあるだけなのに、ブリュレと合いました。ブリュレのミネラルがマッチしたんでしょう。芋うまかったなぁ。99とマッチした覚えが。


次に、さんまと野菜。1〜2時間程度経ったこのあたりから99と00が美味しくなって来ました。香りもいいし弱々しさも感じない。空けた直後だから難しかったのかなぁ。料理がシンプルでワインも普通*2なので、高くない次元だけど美味しく料理とワインがいただけたのかな。普段からこんな料理とワインが飲めたらうれしいなぁ。

AKのKさん。電子書籍でワインにあう簡単料理レシピ集作りませんか?w

続いてジャコのクリームソースパスタ。シャルドネにクリームソース。はずしようがありません。美味しかったです。

メインはアグー豚のグリル。脂身がクロ・ド・ヴージョにあうんじゃないかな?とのこと。うまいです。ここにきて、そっけなかった97のワインがこぢんまりした広がりをみせてくれました。華やかさや力強さはなかったんですが、タンニンのひっかかりが全くないんです。アグー豚のあぶらを綺麗に洗い流してくれて、クロ・ド・ヴージョもより一層美味しく感じます。

今日のベストの「ニンニクの芽の炒め x ブリュレ98」の組み合せには及びませんが、次点で「アグー豚 x クロ・ド・ヴージョ97」が良かったです。あとの料理はつかず離れずな組み合せで美味しく料理をいただけたという感じでした。この2点の組み合わせは絶妙だったなー。

ワインの評価

試飲会ということで、得意ではない評価というものをすることに…
飲食の過程でだいたい見えていましたが総括という意味で評価します。

  • 地味な生産者だけど地味なりに美味しかった
  • 価格帯的に絶対的な魅力があるわけではない
    • 絶対的な美味さやずば抜けたコストパフォーマンスはない
    • 希少性なし
    • それでも買うとしたらなに?
      • ビンテージに幅広い特徴がある
      • ワイン自体への期待より食卓で飲むという日常的使い勝手を重視するなら
      • ケース買い向き
    • 買わない理由はなに?
      • 突出して美味しいわけでもない
      • 他ワインとのトレードオフで候補外に
  • 評価
    • ブリュレ:悪くない。人気がないだけ。飲むとうまい。
      • 98:多分あとで注文する。売り切れにならない事を祈る。常に1〜2本をキープしておきたい品。
      • 99:お金に余裕があれば注文する。化ける可能性を秘めている。
      • 00:谷間的難しさ。期待外れではないが期待以上でもない。
      • 04:VVが好きでリピートして買っている。値段次第で買いたい。好み。
    • クロ・ド・ヴージョ
      • グラン・クリュの感動はなし
      • 料理の選択をミスらなければいい感じだと思う
      • これも97という飲み頃の谷間的難しさ。
      • セラーと購入資金に余裕があれば値段次第で購入対象になるかも

今日のワインは食卓やレストランのグラスワイン向きだなと思いました。メイン料理がすごいのでそれにあわせるとか、ワインのラベルを見ながら脳を刺激して飲むワインではない。自然な形でグラスに1杯のワインが注がれて飲むワイン。

悪くはないんだけどなぁ。w これにつきるな。

まとめ

  • 悪くはないんだけどなぁ
  • 垂直は楽しい
  • 料理がシンプルなほど素材が活きたことを実感できた
  • ゆったりワインと料理を頂くとより美味しく感じる
  • 美味しいけど地味なワインを気負いなく飲むのは大事
    • いつもトップドメーヌを意識して飲んでられないです
    • 自分にとってシュタインベルガー的存在
    • 脳を休めて五感に問いかけることも大事 > 癒しや味覚

ブリュレを買う前にこの体験をできたのは良かったです。個人的に98が狙い目。半年後や来年は熟成の過程でどう変わっているかは未知数だけど。

*1:作れるけど出していないだけだと思うのですが

*2:失礼すぎる言い方w良く言えばワインが主張しすぎない