熊本馬刺しをドメーヌ・ドーヴネ・アリゴテ 2004とメゾン・ルロワ・ムルソー 1999で楽しんだ

お取り寄せの極上馬刺しをドーヴネでいただきました。

WINE:

  • ビンテージ:2004
  • 生産者:ドメーヌ・ドーヴネイ
  • 産地:ACブルゴーニュ アリゴテ
  • ビンテージ:1999
  • 生産者:メゾン・ルロワ
  • 産地:ムルソー

日時

  • 2010年5月30日(13時頃)
  • 月齢 16.3・大潮・マイナス
  • 栓抜時:潮位(38)方向(プラス)
  • 当日潮位:満潮(178)干潮(36)

NOTE:

今日は、新居への引っ越しにあわせ会社の同僚が遊びにきてくれました。
同僚はグルメで美味しい物をストイックに求めていて、自分でスパイスを調合してカレーを作ったり、作る料理には季節(旬)の要素を取り入れたりと、貴重品や行列やトレンドとは違った美味しい物好きな方なんです。

その同僚が、地元の九州本場の熊本馬刺しを取り寄せるので一緒に食べましょうという話しになりました。

その他の献立は私で考えて自分で料理しました。メインの馬刺しにシャルドネも悪くないという試飲レポートがあったので、空けるワインはドーヴネに決め、献立を決定しました。

献立

  • 前菜
    • あさりの酒蒸し
      • 日本酒(鮎正宗)を利用
  • サラダ
  • 汁物
    • 土瓶蒸し風
    • いなり寿司(泉平)
  • メイン
    • 馬刺し
      • 赤身
      • バラ
      • 霜降り(トロ)

感想

ドーヴネ1本で通すのにしっかり考えました。
結果的には和食という内容にも関わらず、ドーヴネと和食の双方を壊さず、お互いの食をすすめる良い相性でした。

実は初めて、やらかしてしまったんです。。。
今日あける予定のワインはアリゴテ2004ではなく、オークセイデュレス2004だったんですね。蝋キャップを削って、コルクを空けてしまった時に気付きました。ワインの取り違えはありましたが、逆にアリゴテは料理に対するレンジが広くてこの料理の組み合せには良かったかもしれません。

さて、ドーヴネのアリゴテ2004ですが、色やそれほど濃くなくグラスに注ぐと、ドーヴネ香が溢れてきます(なんとも言えない燻した樽香?)。エキス分としては口の中に広がりますが、奥行きがオークセイデュレス2004(以前に飲んだ記憶から)に比べると見劣りますが、トータル的なバランスはさすがです。文句のつけようがありません。ど真ん中で好みです。アリゴテの酸っぱいという印象もないですね。酸はありますが、美味しい酸。

一番印象的だったのはドーヴネ香。アリゴテでも同じ特徴なんですね。ワインの厚みは違っても、方向性は同じ。もっと買っておけばよかったと後悔しています・・・ 6本くらい欲しい!!
もう入荷ないんだろうなぁ。

3人でワイン(実質は2人でほとんど)を飲んだのですが、減るスピードが速いです。食事を終える頃には空になりました。馬刺しとの相性も良かったのですが、試しに特性醤油(出汁醤油系)をたっぷりつけて、すぐにワインを飲んだ時は、すこしエグミを感じました。普通の量で専用醤油をつける分には全く問題なかったのですが、濃い醤油系の場合はちょっと相性はあわないかも知れないですね。

そして、食事が終盤にさしかかった頃、ワインの状態の話しになりドーヴネのアリゴテが底を尽きたので、状態に不安のあるルロワのムルソーを空けて比較してみました。*1

価格帯は同価格帯で、ビンテージも双方1回目のピークと、2回目のピークがさしかかる頃で、カタログスペック的には同じレベルで美味しいはずです。*2

比較してもらった所、同僚曰く「全然違う。後の方(ムルソー)は酸っぱくて、比べ物にならない。」とのこと。状態の差でここまで違うものになるという体験(検証)に付き合っていただきました。

が、ここでびっくりしたこと。
最高の状態のドーヴネの後に飲んだと言うことです。
単体で飲んだ時と、ドーヴネの後に飲むのとは印象的な違いは大きいはずです。

ですが、ルロワのムルソーもそれなりに飲めたんです。
前回は単体で2口くらい飲んで、流しに捨てざるを得ないほどの状態だったのに・・・

明らかに飲んだ時のファーストインパクトは悪いですが、それなりに熟成して状態が悪いという程度の白ワインという飲み物だったんです。
このロットのムルソーの中では過去最高で美味しいです。

普通に飲めて、抜栓後2〜3時間経った今この瞬間、美味しいんです。
飲めるではなくて、美味しいと感じるワインになっていることに一番驚きました。ですが、鼻につく揮発性のいやな香り(ヒネテいる?)がします*3。マイナス的な香りを感じますが、液体はプラスマイナスでいうとプラス方向で美味しく感じます。

なぜ、こうも変わるのでしょうか?私はもう、落ちる一方だと思っていました。
今は熟成したらまだかわりそうな予感もします。
未だビネガーとは紙一重で、健全なワインとは比べるレベルではありませんが、ワインとして成り立っています。

実は、以前に飲んだ、ルイ・ラトゥールのコルトン・シャルルマーニュも飲むタイミングが違えば、状態だけの問題以外に違った顔を見れたのではないか?という心境になりました。

熟成と飲むタイミングは本当に難しいですね。

良いコンディションのワインと比較した際には明確にわかるが、それなりに飲めるようになる。ただそこに染み渡る美味しさがなかったりエグミやざらつきなどの引っ掛かりが存在するので、価格や畑や生産者の格の違いとのトレードオフを考えても、2杯目以降の「飲みたいとう意欲」では状態の悪いワインの価値は低い。

ワインの波と熟成を状態が悪いワインから見ると色々な面が見えてくる。
次は秋に空けてみたいと思います。前回の絶望から復帰した次の出逢いが楽しみではあります。

ワインは美味しくて面白いなぁ。
馬刺しは臭みもなく、本当に美味しかったです。美味でした。

メモ

今日の天気予報。 

先週は25度〜30度が最高気温だった。
週末に低気圧?がきて、やや小雨、最高気温は18度。最低気温は14度と一気に温度が下った。

低気圧の時にワインを飲むとうまいということだが、これも絡んでいるのかな。
大潮の日に干潮時間帯に飲み始め、潮が満ちていく方向だったし。

気温的な外的要因も助けてくれた気がします。
今日はとても、ワイン日よりな天候でした。

追記 2010/5/31

残りのルロワ・ムルソーを飲みました。
飲めますが美味しくはありません。2日目に落ちたというより、以前から感じていたこのロットの劣化している悪い部分が表面化しています。
これは、このワインをずっと追いかけているからわかること。ブラインドで出されたら、今回のボトルでは気付かず、「酸が際立っていて古酒っぽいニュアンスがありますね。」とか、言っちゃいそう。

個人的にはこのボトルでも、先日飲んだジャン・フルニエのブランの方が美味しく感じます。やっぱ、劣化しているボトルはダメだなーとコンディションが良いワインを飲めば飲むほどわかってしまう。

*1:このワインの口で食事を締めるのは忍びなかったのですが・・・

*2:ただし、ムルソーの方は状態が悪いと言う事がわかっています

*3:時間の経過とともに弱くはなってきていますが