ラギオール(laguiole)フォークとナイフを安く買う方法と質を考察する

ラギオールのカトラリーセットを購入したく、販売店や専門店を探したが高級品しか扱っていなく、本場フランスから自分で輸入を行った経験を書き残します。

お金に余裕があって、ラギオール アン オブラックやシャトー・ラギオール(chateau laguiole)など高品質のソムリエナイフやフォークやスプーンを購入できる方は楽天などで購入した方が安心できますので、こちらから購入する事をお勧めします。

※日本ではラギオールのスプーンの取り扱いがほとんどありません。

テーブルセットでは一般的な6本ずつのナイフ・フォーク・スプーン大・スプーン小の組み合せ24本セットは取り扱いはないに等しいです。もしくは軽く10万円越えでしょう。

前提

大前提として、ラギオールはシャトー・ラギオールSICP社)が有名ですが特許などはなく、フランスの裁判所の判例がでており一般固有名詞として取り扱われています。つまり、ラギオールとしての本家・元祖・偽物は個々の言い分でしかありません。ただし、シャトー・ラギオールのコピー製品(偽物)は出回っているので、気をつけましょう。

有名な産地としてフランスでティエール(チエール)があります。多くのラギオール型のナイフ・フォークはここで作られますが、ここで作られていなくてもティエールに会社を置いてラベルにティエールと記載するメーカーもあるようです。

本エントリーの目的として、安くて質のいい物を手に入れる。値段によって質を比べる事を目的とします。

価格

まずは価格と品物を列挙します。
価格に対する考察の次の項で述べます。

Forge de Laguiole

こちらは所有していませんが、SICPと並んで定評があるラギオール専門メーカーです。楽天で売り切れですが紹介します。2本で19,000円。6本セットの場合は1本6,000円程度で販売されています。

[rakuten:theharvest:10001053:detail]

フランスでのオンラインショップ販売もありました

Laguile G.David

こちらもラギオール専門メーカーで、とてもスタイリッシュです。ラギオールナイフ1本で390ユーロします。日本円に換算すると1ユーロが120円とすると1本46,800円ですね。

http://gyazo.com/0bda2a03a01a3024c82df4d5efe8350c.png

フランスの直販サイト

無名メーカー

次はラギオールメーカーではありますが、もうちょっと他デザインにも手を出しているメーカーです。
家庭やカフェでの普段使い用を意識した価格で6本で$68。1$100円換算でも7000円程度です。こちらは1本あたり1000円程度ですね。

http://gyazo.com/41e68e635e1cb0635d476ca7128c8b27.png

アメリカのアマゾンで取り扱いがありました

量産メーカー

最後にラギオール量産メーカーのものです。
こちらはなんと、6本で$48。つまり1本800円程度。

http://gyazo.com/c1ca1d3a828604a6fe446704cf07f696.png

フランスのショッピングサイトで取り扱いがありました


ここでお気付きになったと思うのですが、中間層という価格帯が存在しないんですね。
それはすなわち、手作りになった途端に値があがると言う事です。市場原理としてはしょうがないことで、あとは需要と供給のバランスがとれた国で買うということですね。原産国フランスが一番安く供給量も多いです。

こちらは全て私が所有しているラギオールです。写真はページの最後にまとめて掲載。

さて、次は質です。
Forge de Laguioleは持ち合わせてないので、かわりにSICP社のシャトー・ラギオールのソムリエナイフ(スタミナウッド)を元に比べてみたいと思います。

写真を見ても分かるように、寸分狂わぬはめ込みと丁寧な仕上げです。どこを見ても荒い部分はなく、よく見れば手で仕上げているというのも見て取れます。切れ味もよく、私は以前にキャップをナイフで剥いでいる時に手元がずれてしまい、親指を切ってしまいました。その時は血が止まらず鋭い切れ味を身をもって知ったわけですが、その時の傷は跡になってしまい、今も残っています。デザインも良く、値段さえ折り合えばシリーズとして取り揃えたい品です。ただ、どこを見てもSICPだらけなので目新しさやオリジナリティにはかけるかもしれませんね。

  • Laguile G.David

こちらは、チーズナイフを所有しています。弓がシンボルです。
柄の部分が水牛の角でできており、伝統的なラギオールを感じさせる重みと持った感触に高級感を感じさせます。金属部分の磨きがとても綺麗で値段に見合った品質で、SICPより全ての部品に手作り感があり味わいがあります。留め具の部分がちょっと飛び出ている所などが特にそう感じますね。

  • 無名メーカー

続いて、無名メーカーです。オリジナルのロゴシンボルはありません。
金属部分の仕上げはとても綺麗で、切れ味も抜群です。刃物の部分の仕上げのみハンドメイドでその他の部分はマシンメイドとのことです。柄の素材はプラスチックですが安っぽさはありませんが、手に馴染む重さや質感はなく見た目と手軽さ(使い勝手)重視ですね。実用的な層を狙っている事がわかります。金属は柄で挟まれているのですが、その組み合せが少しずれていたりとマシンメイドのマイナス面の特性がでてしまっています。金のメッキはG.Davidと比べるとやや薄めです。

  • 量産メーカー

最後に量産メーカーです。オリジナルのロゴシンボルはありません。
こちらは柄の部分がウッドです。量産だとプラスチック製品やオールステンレスが多く、木の素材は供給が少ないんです。
但し全ディテールの仕上げは上記3つに比べ格段に荒いです。金属部分の仕上げ(バフがけ)がマシンだからか、1円玉のような感じです。洗えばピカッと綺麗になりますが、越えられない壁があります。*1柄の部分も少しずれていたりとマシンメイドの特徴がでています。ウッドの木目のそろえ方も機械的です。ただ、テーブルに並べた時には統一感とデザインと素材がカバーしてくれます。手に持った時の質感はハンドメイドに追いつかないのは然る事ながら、蜂(ハチ)*2のシンボルの仕上げだけはがんばって欲しかったなぁ・・・

評価

  • SICPは値段相応でソツがない感じ!!
    • シリーズで揃えたい派の人向け
    • コマーシャリングが上手
    • 質もいいので損はしない
  • G.Davidは個性が強くテーブルが華やかになります
    • ペアでいいから欲しい!!
    • 記念に買いたい
    • 良いものを大事に世代を超えて家宝として使っていける
  • 無名メーカーは普段使いするのにぴったり
    • 個人的には家で一番使う
    • リーズナブルなので色々と買いそろえたくなる
  • 量産メーカーはパーティーなどに使える
    • 安くシリーズで揃えたい派の人向け
    • カトラリーに数十万もかけれないがシチュエーションとして欲しい人向け
    • 素材重要

まとめ

特徴に合わせて使用用途を分けれるということがわかりました。値段と重ね合わせると、一般家庭*3でG.Davidを24セット揃えるのは既にコレクションとなるでしょう。SICPのカトラリーは飲食店などレストランで揃える理由がわかります。バリエーションが広く質も均一ですからね。でも、自宅で使った場合は妻が気兼ねなく洗えるカトラリーが好まれるでしょうw。妻はリーデルウェッジウッドを洗いたがりません。これって以外と重要な事かも知れませんね。自分もそうです。普段使うグラスはシュピ・ゲラウのマシンメイドやリーデルのヴィノムを使います。特別な時だけハンドメイドのグランクリュグラスを使います。

ラギオールカトラリーもワイングラスと同様にシチュエーションに合わせて購入すると良いという結論に至りました。
もっと色々な柄の素材が出たりセミオーダー的にできればいいのになー。もっと日本に低価格で質のいい物を取り扱って欲しいです。送料は安いラギオールの製品より高かったですが、また機会があったら輸入してみたいと思います。(一緒に輸入して欲しい方がいればコメントをどうぞ)

写真

左から順に、SICPシャトー・ラギオール)、G.David、無名メーカー、量産メーカーの順です。




【おまけ】ラギオールのミュージアム
http://www.musee-laguiole.com/index_en.htm

2016年6月13日追記

購入してから数年、まったく利用していないラギオールカトラリーがあり、観賞用にしておくには勿体なので、無名メーカーのオリーブウッドのラギオール・カトラリーセットを無償でお譲りします。詳細はリンク先のエントリーにて書いております。

2016年6月15日追記

あっという間に欲しい方が現れ、手元に残さず全てお譲りする事になりましたので締め切りました。
こんなにも反響があるとは思っていなくて、実はすごく驚いています。

そんなにいいモノではないですが、気に入って長くたくさん使ってもらえればうれしいです。

*1:上記3つはipodの裏のようなピカピカ感があります

*2:蝉(セミ)ではなく

*3:セレブやマニアは除く